コラム

医療機関の破産手続について

医療機関の破産手続きについて

 

破産手続は破産申立人である法人自らが破産原因の存在を明らかにして申立てを行う必要があります。

 

破産手続開始決定後は、裁判所から選任された破産管財人によって、破産財団(=破産手続開始決定時点で、申立人が保有している換価可能な資産・債権等の総体を指します)の評価・換価が進んでいきますので、破産手続き開始後に経営者や従業員がなすべきことは、

債権者に対する配当を少しでも大きくするため、また、下記のように経営者自身も自己破産をする場合において最終的な免責許可決定を得るため、破産管財人の業務に協力することです。

 

 

経営者の自己破産

 

平成25年の経営者保証ガイドラインの制定以後も、未だ経営者が企業の債務を個人保証している事例が多く見られます。病院経営者においては、病院の運転資金や高額の医療機器のリースについて、ご自身が連帯保証をしている場合も多いでしょう。その場合、たとえ法人が破産により消滅しても経営者の責任は存続することになります。

 

よって、そのような場合には、経営者個人の破産申立ても同時にする必要があります。

 

ただし、破産した事実は信用情報機関による事故情報への登録(いわゆるブラックリスト)を通じ金融機関に把握されてしまいますので、今後新規事業を行う際や、個人として不動産等を購入する際の資金調達が困難になることは言うまでもありません。そのため、弁護士と相談の上で、自己破産以外の適切な債務整理手段の有無を模索することも重要となります。

 

 

小額管財手続の利用

 

破産手続の際には相応の予納金が必要となり、手続にも長い期間を必要とします。

 

しかし、法律の範囲内で、可能な限り手続を簡素化し迅速に進めることで、少しでも時間と費用を少なくしようという試みとして、小額管財手続という方法が行われることもあります。

 

ただし、この手続は代理人弁護士による申立が必須であり、必ずしも全国全ての裁判所で扱われているわけではないことには留意が必要です。

 

〔文責 武藤〕