【分野】
医療事故・医療過誤に関する損害賠償請求への対応
【相談内容】
依頼者は、複数の診療科を有する医療機関です。
介護事業所を利用していた高齢患者が、定期通院のため依頼者の医療機関を受診した際、介護事業所の職員から担当医に対して、患者の日常生活上の状態や服薬状況等について申し送りが行われました。
担当医は、その申し送り内容を踏まえて診察を行いました。ところが、その後、患者の容体に変化が生じ、入院加療を要する事態となりました。事後の調査により、介護事業所から医療機関に伝えられていた申し送り情報の一部に誤りがあったことが判明しました。
これを受けて、患者のご家族は、介護事業所および医療機関の双方に対し、損害賠償を請求されました。
医療機関としては、介護事業所から提供された情報を前提に診療を行っていたものの、医師としてどこまで確認義務を負うのか、また、今回の容体変化について医療機関に法的責任が生じ得るのか判断が難しい状況でした。
そこで、事実関係の整理、ご家族への説明対応、介護事業所との責任関係の調整について、ご相談をいただきました。
【対応内容】
まず、事故に至るまでの経緯について、詳細な事実確認を行いました。
具体的には、介護事業所から医療機関への申し送りの内容・方法・記録、担当医による診察時のカルテ記載、診察時に実施された問診・検査の内容、処方判断の根拠、患者の容体変化に至る時系列、医学的因果関係の有無などについて、関係資料を精査しました。
また、担当医および看護師から聞き取りを行い、当日の診療状況や、介護事業所から提供された情報が診療判断にどのように影響していたのかを確認しました。
その結果、本件では、医療機関が当時把握していた情報を前提とすると、担当医の診療判断や処方内容について、直ちに注意義務違反を基礎づける事情は認められないと整理しました。
その上で、ご家族に対しては、単に法的責任の有無を説明するのではなく、診療当時の状況、医療機関が把握していた情報、担当医の判断過程、患者の容体変化との関係について、医学的見地も踏まえながら丁寧に説明しました。
また、介護事業所に対しても、事故の経緯と責任関係の整理結果を共有しました。介護事業所においても、申し送り情報に誤りがあったことを認め、再発防止に向けて申し送り手順の見直しを行うこととなりました。
最終的には、ご家族にも事実関係をご理解いただき、感情的な対立を深めることなく、協議による解決に至りました。
【対応後の状況】
依頼者からは、次のようなお言葉をいただきました。
「ご家族から損害賠償請求を受けた当初は、医療機関としてどこまで注意義務を負うのか判断がつかず、大きな不安を感じていました。
弁護士に、事実関係の調査からご家族への説明対応、介護事業所との調整まで一貫してサポートしてもらえたことで、感情的な対立を避けながら、ご家族にも納得いただける形で解決することができました。」
本件では、初期段階から事実関係を丁寧に整理し、医学的判断と法的責任の範囲を切り分けたことで、医療機関に過度な責任を負わせることなく、関係者間で冷静な協議を進めることができました。
【担当弁護士からのコメント】
医療事故や医療過誤に関する紛争は、医師や医療機関にとって非常にデリケートな問題です。
たとえ法的責任が明確ではない請求であっても、真摯に医療に向き合っている医師ほど、「自分の診療に問題があったのではないか」「患者やご家族にどう説明すべきか」と悩み、大きな精神的負担を抱えることがあります。
そのような不安や悩みは、日々の診療にも影響を及ぼしかねません。医療者が本来集中すべき診療に安心して向き合うためにも、早い段階で弁護士が関与し、事実関係と法的責任の範囲を整理することには大きな意味があります。
また、医療過誤の事案では、患者側にも大きな不安があります。医療に関する情報格差がある中で、患者やご家族は「何が起きたのか分からない」「きちんと説明してもらえていない」と感じることが少なくありません。
そのため、医療機関側が単に「法的責任はありません」と伝えるだけでは、かえって不信感が強まり、紛争が深刻化してしまうことがあります。
大切なのは、感情的な対立を避けながら、診療経過、医学的判断、法的責任の有無を丁寧に整理し、分かりやすく説明することです。
医療過誤・医療事故に関する紛争は、初動対応を誤ると長期化・深刻化することがあります。患者やご家族から請求を受けた場合や、説明対応に不安がある場合には、できるだけ早い段階で法律事務所にご相談いただくことが、円滑な解決につながると感じています。
顧問プラン
| 顧問プラン | ライト | スタンダード | プレミアム | |
|---|---|---|---|---|
| 費用(税込) | 5.5万円 | 8.8万円 | 16.5万円 | |
| 対応時間 | 3時間 | 6時間 | 10時間 | |
| 法律相談 | 面談、メール、電話、チャットにて相談対応いたします。 | |||
| 労務トラブル | 従業員との労務トラブルに関して、発生後の対応のアドバイスや予防のための助言を行います。 | |||
| カスタマーハラスメント ペイシェントハラスメント |
患者からのハラスメントに関して、対応のアドバイスや予防体制構築のための助言を行います。 | |||
| 医療監査・立入検査・ 個別指導への帯同 |
行政からの医療監査・立入検査・個別指導への対策に関するアドバイスや、弁護士の帯同を行います。 | アドバイスのみ |
帯同も可能 |
|
| 未払い診療報酬 (内容証明) |
未払い診療報酬の回収のために、内容証明郵便の送付を行います。 | 月1通 |
月2通 |
月3通 |
| 未払い診療報酬 (督促・訴訟) |
未払い診療報酬の回収のために、督促・訴訟の対応を行います。 | |||
| 契約書・定款・就業規則 作成 |
契約書・定款・就業規則の作成を行います。 | A4で4枚まで | A4で8枚まで | A4で20枚まで |
| 契約書・定款・就業規則 チェック |
既存の契約書・定款・就業規則のチェック・アドバイスを行います。 | A4で6枚まで | A4で12枚まで | A4で30枚まで |
| 広告リーガルチェック | 貴院の広告・ホームページ等に関して、関連法令の観点からリーガルチェックを行います。 | A4で10枚まで | A4で20枚まで | A4で30枚まで |
| 口コミ対応 | Googleに書かれた誹謗中傷等の悪質な口コミに対して削除要求をいたします。 | 月1件 | 月2件 | 月3件 |
| 取引業者・紹介会社との トラブル |
取引業者・紹介会社とのトラブルが発生した際、対応についてのアドバイスを行います。 | |||
| 院内研修 | カスハラ対応研修や管理職向けのハラスメント研修など、ニーズに応じて貴院での研修を実施いたします。 | 年1回 | 年2回 | |
| 労組との交渉対応 | 労働組合との交渉対応のサポートを行います。 | |||
| 弁護士費用割引 | 個別の案件(医療訴訟等)に対して着手金を割引いたします。 | 10% | 20% | 30% |